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El Choclo? Kiss Of Fire? それがどうした、と言わんばかりのピアソラ・マジック

「El Choclo」といえば、誰もが一度は耳にしたことがあるタンゴの名曲。タイトルの意味は「トウモロコシ」と意味不明な感じですが、タンゴのリズムに魅入られたタンゴ廃人が、主食であるトウモロコシと同じように愛する曲である……という意味だといいなあと妄想しております(^^)
この曲には歌詞が複数あり、英題「Kiss Of Fire」としても広く知られています。

それにしても、この当時の著作権事情は、どうなっていたのでしょうか。曲を利用して歌詞をつけかえる、ということがおこなわれていた曲は他にもあり、著作権がどのように扱われていたのかが作り手の立場としては気になります。
ニコ動みたいに、あまり権利を主張したりせずにおおらかにコラボをしているような気分だったのかもしれませんね。

さて、この「El Choclo」ですが、先にも書いた通り、タンゴの名曲です。
そして、タンゴといえばやはり、アストル・ピアソラ大先生でしょう。
今からもう20年前くらいでしょうか、チェリストのYo Yo Maがフィーチャーして有名になったアルゼンチンのバンドネオン奏者ですが、この時のアルバム「Yo Yo Ma Plays Piazzolla」の中身を聴けば大先生のすごさがよくわかります。
非常に申し訳ないのですが、世界的チェリストなど存在しないも同然。すべてピアソラ大先生のバンドネオンに持っていかれて、まあチェロはだれが弾いても一緒かな、という気分にさせられます。
それだけのインパクトのあるピアソラ大先生の演奏は、一言で表現するならば「遊びが多い」という感じでしょうか。本来の旋律とは関係のない音を混ぜて全体をきらびやかに飾っています。
キレのいいスタッカートで思わず体が動いてしまうようなグルーヴ感を生み出したかと思えば、突然バンドネオンの音色をじっくりと聴かせるテヌート中心の奏法に切り替える……この変幻自在な感じこそ、大先生のすごいところです。

と、音楽を言葉で語っても無理がありますので、ご紹介しましょう。
アストル・ピアソラの「El Choclo」です。

はい。「El Choclo」だろうが「Kiss Of Fire」だろうが、著作権がどう扱われていたのかなんてまったく気にならないこの演奏、ただただ「ピアソラ大先生!!!」としか表現できなくなってしまいます。
まさに、ピアソラ・マジック。

小説「ハッカー探偵と魔剣テュルフング」では、第3章で私立探偵の丹羽がリクエストします。この日を境に、彼らが直面している事件がすこしずつ違う側面を見せ始めます。「魔剣テュルフング」とは何なのか? 謎が謎を呼び、物語は急展開を迎えるのですが……っと、この先は本編をお楽しみください(^^)


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