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作家のおすすめ小説「ファンタジー」編

ファンタジー小説というジャンルを確立し、単なる「子供向けのおとぎ話」という次元から「大人も楽しめる文学作品」へと昇華させたのは、トールキンの『指輪物語』であると私は確信しています。
が、『指輪物語』を小説として人におすすめできるかというと、それは無理な相談です。作者のトールキンという人はもともと学者だったこともあり、とにかくヘタクソ。内容はすごいのに、小説としての作法がなっちゃいないのですね。

というわけで、今回おすすめするファンタジー小説は、ちょっとひねってみました。

バーバラ・ハンブリー『ダールワス・サーガ』

異世界のトラブルに巻き込まれた現代のアメリカ人の男女が、異世界で自身の価値を再発見していく成長の物語です。
って、よくある筋立てですよね。でも、ひと味もふた味も違うんです。どう違うのかは実際に読んで確かめてほしいところですが、一点だけ。等身大でリアルなキャラクターと緻密な世界観が、物語の中に絶妙なバランスで織り込まれていて、読んでいるといつの間にか引き込まれてしまうのです。どマイナー作品ですが、超おすすめですよ。(註・すでに絶版のようで、リンクは英語版のページにしています。)

茅田砂胡『デルフィニア戦記』

陰謀により王位を追われた若き王と、その周囲に集う仲間たちとの絆を描いた英雄譚です。

王位の奪還、混乱に乗じて攻め込んでくる隣国との戦いなどを通して、活劇としての面白さだけでなく、時に胸を熱くするような人間関係が表現されています。
まあ、なんというか、読者が面白いと感じるツボをよく知っている作家さんですね。サービス満点でたっぷり詰め込まれたエンタメのエッセンスを楽しんでいただけると思います。

以上、おためしあれ(^^)

 


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